「大エルミタージュ美術館展」を観て

「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」を観る。


世界三大美術館の一つである、ロシア・サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館は1万7千点もの絵画コレクションを誇り、16世紀ルネサンスから17・18世紀のバロック・ロココの時代に活躍した画家「オールドマスター」の名画85点を鑑賞することができる展覧会。


権力を誇示する肖像画、画家の技量が惜しみなく注ぎ込まれた風景画や静物画、市井の人々の生活を描いた絵画、それら総合文化である宗教画の傑作が一つの美術館に収蔵されているというのは長く続いた王朝ならではとはいえ驚きだった。

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2017年春の市民大会

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映画「潜入者」を観て

「潜入者」を観る。
コロンビアのパブロ・エスコバル(メデジン・カルテル)の資金洗浄を壊滅に追込んだ潜入捜査官の実話を映画化。


潜入捜査モノは、バレるかもしれないという緊迫感と、潜入捜査ゆえの家庭生活の崩壊、さらには騙している相手に対する同情といった内容がお決まりなのだが、実話を背景とる本作は他の映画とは一線を画した真実味をもって迫ってくる。

個人的な興味として、パブロ・エスコバルは世界の「」市場の「」割を独占していた他、「」で得た「裏の金」ををBCCI(国際信用銀行)に預け資金洗浄を行い「表の金」とすることで世界長者番付にランクインするなど、その動向について当時注目していた。




また、1980年代のパブロ・エスコバル率いるメデジン・カルテルとアメリカの「戦争」は、中南米の反共勢力の支援の資金源として「」の生産を黙認しその資金をBCCI(国際信用銀行)の隠し口座にプールしていたCIAと、それによってアメリカ国内に「」が流入し社会問題化していた事態を解決したいFBIや「」との利害が相反しており、そういった背景を知るとより深く本作を観ることができると思う。



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最近観た映画(2017/5)

■魂のジュリエッタ

フェデリコ・フェリーニ監督による1964年の映画。

妻のジュリエッタは15年目の結婚記念日を二人きりで過ごそうとしたところへ、夫は大勢の友人を招いてドンチャン騒ぎ。
中には怪しい占い師もいたり思いもよらない記念日にすれ違いを感じるジュリエッタ。
しかも就寝中に夫は寝言でジュリエッタと異なる女性の名前を口走る。

ジュリエッタは夫が浮気をしているのではないか?という疑心暗鬼に駆られ、怪しげな霊能者・探偵・奔放な隣人との交流から神秘的な体験を通して自我を取り戻していく…。


フェリーニ初のカラー作品。
全ての色に意味があるかのような計算されつくされた配色に驚かされる。
また、ジュリエッタの内的世界を幻想的に描く手法は、「8 1/2」よりも神秘的かつ官能的でカラーの優位性を充分に活かしている。

まさに「映像の魔術師」と呼ばれたフェリーニの面目躍如といった作品。


■ビフォア・ミッドナイト

「恋人までの距離(ビフォア・サンライズ)」から18年、「ビフォア・サンセット」から9年後の話。
ジェシー(イーサン・ホーク)とセリーヌ(ジュリー・テルピー)は双子の女の子をもうけ、ギリシャに訪れていた。
ジェシーは前の妻との子であるハンクを引き取りたいと考え、ハンクがいるシカゴへ引っ越したいと考えていた。
しかしセリーヌは自分の仕事と前妻との関係が妥協することなく解決しないとパリからの引っ越しはあり得ないと考えていた。
両者全く引かない議論の末、セリーヌはホテルを出て行ってしまう…。

開けっぴろげな冗談と今後の人生について繰り広げられる激しい議論は、人生を共に歩んだ二人だからこそ成立するもの。
美化される思い出と寄り添い、一方で暴力と感情に任せることなくとことん議論を重ねより良い今後の人生について供に関係を修復しようとする姿は、この映画が3作目であるという映画内の積み重ねと、18年という現実世界における役者の積み重ねによる重みと堅苦しくない印象を与えてくれる。


■五つの銅貨

ダニー・ケイ、ルイ・アームストロングが出演する1959年の映画。

実在のコルネット奏者レッド・ニコルズの半生を描いた作品。

ウィル・パラダイス楽団に所属するコルネット奏者のレッド・ニコルズ(ダニー・ケイ)は、歌手のボビー(バーバラ・ベル・ゲデス)と結婚、ファイブ・ペニーズ楽団を結成、娘も生まれて順風満帆な人生を送っていた。
しかし、娘が小児麻痺を患うとレッドはある重大な決断をする…。

歌の上手いダニー・ケイと本人役で出演しているルイ・アームストロングの掛け合いは秀逸。
因みにビンク・クロスビー、フランク・シナトラ、グレース・ケリーが出演した「上流社会」でも本人役で出演していた。

物語も必要以上な悲壮感がなく、テンポよく展開していく。
ラストの復活ライブはジャズらしく湿っぽくならずカラッとしたハッピーエンドで終わるのも良い。


■ヒトラー暗殺、13分の誤算

1939年11月8日、ビアホール「ビュルガーブロイケラー」で、ミュンヘン一揆16周年記念演説を行ったヒトラーを爆殺しようとした”平凡な男”ゲオルク・エルザーの半生を描く。

エルザーは家具職人として働く一方、友人の誘いでドイツ共産党「赤色戦線戦士同盟」に入党する。
しかし熱心な共産主義者という訳ではなく、党活動よりも趣味の音楽と不倫に現を抜かしていた。

そこへナチスの共産党員への弾圧(友人の逮捕)・賃金の低い労働・不倫関係の破綻といった生活環境の悪化 ー ナチスは労働者を蔑ろにしている ー によって一切の組織的バックアップを受けることなくヒトラーの爆殺を実行するが、ヒトラーが予定より早く退席したために時限爆弾は退席してから13分後に爆発、難を逃れた。

エルザーはスイス亡命に失敗しナチスに逮捕され過酷な取り調べを受ける。
大胆かつ精密な犯行からエルザーは実行犯に過ぎす背後には大きな組織が動いているはずだとナチスは過酷な取り調べを行うが、エルザーは単独犯だと主張し続ける…。

単独犯だと主張し続けその結論に達すれば即刻処刑されそうなものだが、どういうわけか強制収容所で5年も過ごすことになったり、これだけのことをしていながら名誉が回復されたのは1997年になってからというのが新たな疑問として湧いてくる。

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